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STARNET-NEWS Vol.58

2025年初夏号

ご挨拶

代表取締役社長 谷本 收

平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
STARNET-NEWS2025年初夏号をお届けします。


今年度は、米国トランプ大統領の関税をはじめとした政策への対応に世界中が巻き込まれる大きな混乱で始まりました。これまでの前提が次々に覆りかねないような激しい変化に多くの企業が見舞われています。

IT/ICT関連では、DeepSeekをはじめとした生成AIに関するニュースが次々と飛び出しました。時代が急速に進んでいることを感じられずにはいられません。

昨年度は中期計画(2022-2024)の最終年度でした。
この3年間、当社は、お客様のネットワークの安全・安心な運用と改善・増強に注力するとともに、ゼロトラストの考え方に基づく最新の情報セキュリティサービス、及び次世代の新たなネットワークの提案・構築に全力で取り組んでまいりました。

この結果、2024年度の売上高は過去最高の11,567百万円(前期比2.4%増)。また、営業利益は過去2番目の485百万円(前期比3.6%増)といずれも中期計画を上回る好業績を残すことができました。特に、ゼロトラストによる情報セキュリティサービスを含むソリューションサービスはこの3年間で224%に伸びました。これもひとえにお客様ならびに当社事業を支えていただいている皆様のご支援の賜物と、改めて厚く御礼申し上げます。

2024年度実績と新中期計画
2024年度実績と新中期計画

さて、今年度新たな中期計画(2025-2027)が始まりました。新中期計画は10年後のスターネットの姿を見据え、ゼロトラストに基づくセキュリティとクラウドサービスにさらに軸を移していくとともに、お客様の立場にたった提案力、多様なソリューションの提供力を一層強化させてまいります。

具体的には2027年度売上高135億円(昨年度比117%)、営業利益5.3億円(昨年度比109%)を計画しています。また、上記を実現するとともに、お客様に貢献できる存在でありつづけるために、次の方針を立てています。

  1. ゼロトラストを中心とした事業領域のさらなる拡大
  2. 顧客に寄り添うサービスの拡充
  3. 組織的な生産性向上
  4. 社員の成長支援強化
全体構想図

今、大阪夢洲にて大阪・関西万博が開催されております。今年も世界情勢、経済情勢は全く予断を許さない状況が続きそうですが、世界158カ国が参加するこの一大イベントが、「いのち輝く未来社会のデザイン」につながることを願ってやみません。スターネットはこれからもお客様と共に、お客様の事業と未来に貢献するために全力を傾けていきます。引き続きご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

  

生成 AI 活用時に考慮すべきセキュリティ

近年、目覚ましい進化を遂げている生成AIは、利便性と高い可能性から多くの組織が積極的に導入を進めています。しかし、この技術の急速な普及により新たなセキュリティ上の課題が発生しており、安全性が確保されていない生成AIの利用は、情報漏洩、金銭的損失、風評被害、法的責任といった重大なリスクをもたらす可能性があります。

生成AIの主なセキュリティリスク

AIの利用には特有のセキュリティリスクが存在します。

1. 意図しない情報漏洩リスク

生成AIは入力された情報を学習し、他のユーザーへの応答に活用する場合があります。大規模なデータセットで学習されたモデルが、出力において機密情報を意図せず漏洩させる可能性があります。

2. 攻撃により機密情報を引き出されるリスク

巧妙に作成したプロンプト(指示文)を入力することで、本来アクセスできない情報を引き出される恐れがあります。プロンプトインジェクションと呼ばれる攻撃手法で、従来のセキュリティ対策では防ぐことが困難です。

3. 生成AIモデルとシステムの脆弱性によるリスク

生成AIモデルやそれを運用するシステムには脆弱性が存在する可能性があり、脆弱性を悪用されると不正アクセスやデータの改ざん等の被害につながる恐れがあります。AIモデルの入力をわずかに改ざんすることで、モデルが誤った出力をするように仕向け、AIの挙動を操る敵対的攻撃も存在します。

また、AIが生成したコードをそのまま実行することで、不正プログラムが実行される恐れがあり、AIモデルを通じたマルウェア拡散も新たな脅威となっています。

4. 倫理的および法的な懸念

生成AIの出力が著作権侵害、差別的表現、犯罪への利用、プライバシー侵害等のコンプライアンス上の問題を引き起こす可能性があります。

生成AI活用時に考慮すべきセキュリティ

主要なセキュリティ対策

これらのリスクに対処するために、以下のようなセキュリティ対策が重要となります。

1. プロンプトの機密情報マスキング

ユーザーが入力するプロンプトに含まれる機密情報を検出・マスキング(機密情報を隠す処理)することで、意図しない学習と情報漏洩のリスクを低減します。

2. 脆弱性診断

AIモデルや関連システムの潜在的な脆弱性を診断し、脆弱性の特定と修正を行います。レッドチームテスト(疑似攻撃テスト)やコード診断などが含まれます。

3. 攻撃の防御と監視

プロンプトインジェクションや敵対的攻撃などの悪意のある行為を検出し、防御するための仕組みを導入します。入力の異常検知や悪意のあるパターンの認識、出力の監視などが含まれます。

4. AIガバナンスとアクセス制御

AIの利用に関するポリシーと手順を策定し、アクセス権限を適切に管理することで、不正利用や情報漏洩のリスクを低減します。AIの出力が倫理的・法的な規範に違反しないよう、フィルタリングやコンテンツポリシーの適用、出力の監視などのガードレールを実装します。

また、AI利用のリスクと対策について、従業員教育を行い意識向上による人的リスクを低減します。

5. 業界標準とフレームワークの活用

NIST AIリスク管理フレームワーク(AI RMF)やOWASP LLMアプリケーションTop 10等の関連する業界標準とフレームワークを活用し、AIセキュリティリスクを管理します。

生成AIセキュリティの新たなトレンドと将来

これまで述べました生成AIのセキュリティについては、対策ソリューションが提供され始めており、今後も様々な製品やサービスがリリースされると予想されます。

現時点では有効性や評価が未確立のものも多いため、当社は幅広く情報収集を行い検証のうえ、効果のあるソリューションをご提案できるよう取り組んで参ります。


お客様に寄り添う「新サービス」のご紹介

当社の新サービスと言っても、これまでの「STARーXX」シリーズのいわゆる自営サービスや、新たなネットワークやセキュリティ、クラウドの革新的なソリューションという訳ではありません。

これまでの前中期計画の3年間にゼロトラストをはじめとした新たな様々なソリューションをお客様に構築・導入させていただきました。
ただ、実際にプロジェクトを推進していきますと、

  • 導入までに検討、準備しないといけないことが多い。
  • 構築、展開時に様々なベンダーとやり取りが必要。
  • 運用開始後、想定以上にポリシー変更が発生する。

など、お客様毎に様々なお困り事をお聞きしました。

また、特にクラウドサービスとして提供されるソリューションは新たな機能変更や追加が多く、そもそもどのような機能なのか、自社環境に適用すべきなのか、など最新ソリューションならではのご意見も伺いました。

今回の「新サービス」は、これらお客様からのご要望やご意見をもとに、当社として個別に対応してきた“かゆいところに手が届く”サービスを、あらためて整理し「当社価値」としてご紹介、そして多くのお客様にご利用いただこうというものになります。
「お客様に貢献し続ける存在であり続ける」ことを常に意識し、ご要望やご意見をしっかりとお聞きしたいと考えております。

新サービス

今後、企業インフラを安心・安全に支える新たな製品やサービスが続々と登場することが予想されます。貴社のネットワークを熟知した当社ならではの視点での企画・設計、設計・構築、運用・活用など、各フェーズでのこれらの「新サービス」のご利用を検討いただけますよう、心よりお願い申し上げます。

新サービス挿絵

技術連絡会開催

第79回 技術連絡会

5月23日(金) 東京会場  5月27日(火) 大阪会場
出席者:合計 52社 125名

<講演内容>

5Gは“後半戦”で巻き返せるか?進化版5Gの可能性と、6G時代の展望」

株式会社リックテレコム
 テレコミュニケーション編集部
 エディトリアルディレクター 坪田 弘樹 様

 2020年春に開始してから早5年。製造業をはじめとする産業分野でのモバイル活用が期待された「5G」ですが、通信キャリアは4Gとの差を明確に打ち出せず「5Gならでは」のサービス創出に苦戦しています。閉塞感が漂うなか、これから“後半戦”に突入する5Gには、果たしてどんな打開策があるのか。まもなくスタートする「進化版5G(5G-Advanced)」と「通信×AI」の可能性、そして少しずつ見えてきた6Gについても展望いただきました。

「 サイバーセキュリティ対策強化の取り組み」

住友電装株式会社
 IT統轄部 次長
 兼 システム技術部長 石坂 二郎 様

 ガバナンス強化による安心安全なIT環境構築についてご講演いただきました。

前島密賞受賞

当社は、一般社団法人テレコムサービス協会の本部副会長及び近畿支部会長会社として活動しております。この度、同協会の推薦により、主催団体の選考委員会等で審議の結果、「ICTを通じて地域活動を活性化させ、ネットワークサービスの提供に寄与する等我が国の情報通信事業の普及・発展に貢献した」として、同協会活動を担当する当社会長・鈴木喜晴に対して令和6年度の前島密賞の授与が決定し、4月10日に贈呈式が挙行されました。

日頃の皆様の御支援にあらためて感謝を申し上げます。

議事録作成ツール LINE WORKS AiNote

会議や商談、その「生きた」会話は、実はビジネスの宝の山です。しかし、議事録作成は時間と労力のかかる作業…。この悩みをAIを用いた議事録作成ツールが解決します。

今回ご紹介するLINE WORKS AiNoteは従来の議事録作成ツールと比べ以下の特長があります。

▶高性能×低価格 :

LINE WORKS(株)が長年の研究開発によって、業界屈指の高性能と圧倒的なコストパフォーマンスを実現。

▶驚異の音声認識 :

長年の研究が培った、業界トップクラスの精度。

▶万全のセキュリティ :

ビジネス利用に不可欠な管理機能も充実。
「どうせ、他のツールも同じでしょ?」そう思われた方へ
百聞は一見に如かず。トライアル環境をご用意します。当社担当営業まで、お気軽にお問い合わせください。
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